第36回服部智恵子賞授賞者決定
賞創設以来の伝統の日となっている3月3日、バレエ批評家うらわまこと、岡本佳津子、三浦雅士、長野由紀、川島京子の諸氏をメンバーとする選考委員会にて協議の結果、第36回の服部智恵子賞授賞者として東京バレエ団プリンシパル、柄本 弾を選出いたしましたのでご報告致します。
【授賞理由】
東京バレエ団は、コロナ禍のなか、首都圏のみならず全国各地、さらにオーストラリアなど海外にも活動の場を広げている。そのプリンシパルダンサーとして、古典、そしてモーリス・ベジャールなどの現代作品、さらに金森穣の新作『かぐや姫』など、ほとんどすべての作品に主演、的確な理解力と高い安定感で作品を支え、バレエ団の活動に貢献した。
【柄本 弾 Dan Tsukamoto プロフィール】
京都府出身。5歳よりバレエを始める。2008年に東京バレエ団に入団し、『ドナウの娘』で初舞台を踏む。10年1月の『ラ・シルフィード』、4月の『ザ・カブキ』で主役に抜擢され、13年にプリンシパルに昇進。
古典作品では『ドン・キホーテ』のバジル、『ジゼル』のアルブレヒト、『ラ・バヤデール』のソロルなどの主役、ベジャール作品では『ボレロ』のメロディ、『ザ・カブキ』の由良之助、師直、『火の鳥』のフェニックス、『春の祭典』の二人のリーダー、『くるみ割り人形』のグラン・パ・ド・ドゥ、光の天使、『ギリシャの踊り』のハサピコ、ソロ、『中国の不思議な役人』の無頼漢の首領、ジークフリートほか、数々の作品で主要な役を踊る。
そのほかのレパートリーとして、ノイマイヤー『スプリング・アンド・フォール』、バランシン『テーマとヴァリエーション』のエトワール、アシュトン『真夏の夜の夢』のオベロン、『タムタム』のパ・ド・ドゥ、『エチュード』のエトワール、『白の組曲』のテーム・ヴァリエ、アダージュなどがある。
バレエ団初演作品にエック『カルメン』のエスカミリオ(13年)、ベジャール『第九交響曲』(14年)、ノイマイヤー『ロミオとジュリエット』のロミオ(14年)、ブルメイステル『白鳥の湖』のジークフリート王子(16年)、ロビンズ『イン・ザ・ナイト』(17年)、キリアン『小さな死』(17年)、プティ『アルルの女』のフレデリ(17 年)、『海賊』のコンラッド(19年)、『くるみ割り人形』のくるみ割り王子(19年)、クランコ『ロミオとジュリエット』のロミオ(22年)、金森穣『かぐや姫』の道児(23年、世界初演)、『眠れる森の美女』のデジレ王子、カラボス(23年)などがある。23年からバレエ・スタッフに就任。23年、ハンブルク・バレエ団の第48回〈ニジンスキー・ガラ〉に招待され、「バクチⅡ」を踊った。
(写真:Nobuhiko Hikiji)
(写真:Koujiro Yoshikawa)