「JBAヤング・バレエ・フェスティバル」について
JAPAN BALLET ASSOCIATION YOUNG BALLET FESTIVAL
 JBAヤング・バレエ・フェスティバルは、その通り我が国バレエ界の若手ホープ達の祭典として、平成1年(1989年)にスタート致しました。
 出演者は、日本バレエ協会主催の全日本バレエ・コンクール及びアジア・パシフィック国際バレエ・コンクールの日本人入賞者を中心に、全国から将来を嘱望されている若手ダンサー達を招へいし、我が国バレエ界の明日を担う若手達の学習の場となり、同時に彼女、彼等の溌剌とした真摯な演技を皆様にご覧頂ける機会として、更にはバレエを志す更に若い世代の皆さんの励みとなる会として、回を重ねております。
 この会の特徴は、「パキータ」と「卒業舞踏会」の二作品を毎回の固定演目とし、間にベテラン達の模範演技となる演目や、創作作品演目を挟むという構成を取っている点にあります。
 まず演目を固定しているのは、すなわちそれによってその年その年のダンサー達の実力の程が伺い知れ、ダンサー達にとっても、またその指導者達にとっても、今後のための貴重な学習材料を提供してくれるからであります。
 「パキータ」は、数ある作品の中でも最もクラシック・バレエの様式美が見て取れる作品です。従ってダンサー達はソリストにしろアンサンブルにしろ、如何にクラシック・バレエの基本に忠実に訓練されているか、また周囲とのコンビネーション、タイミングに注意を払って踊れるだけの余裕があるかなどが、この作品を踊る事ですぐに見て取られてしまうのです。
 一方「卒業舞踏会」は、難易度の高いテクニックと、コミカルな作品なだけに高度な演技力が要求される作品です。その意味でそれまでただ踊る事だけに夢中だった若手ダンサー達が、基礎課程を終えて真の舞台芸術家として成長する為に習得しなければならない第二ステップを見せてくれる作品です。
 この二作品の間に、以前は若手ダンサー達の手本となるベテラン達による模範演技と言うべきグラン・パ・ド・ドゥを挿入していたのですが、最近ではもっぱら、若手達の舞踊的な解釈力を見て頂くために創作作品を挿入し、更にこのJBAヤング・バレエ・フェスティバルは、若いダンサー達によるバレエの祭典、という意味合いが強くなってきており、バレエを学ぶ若い世代にとっては、この“ヤング”に出演する事がひとつの目標、すなわち登竜門的公演として定着してきております。

 


→ 過去の公演記録